術後1日目(入院3日目)

朝、6時に起床。看護師さんがやってきて、体温、血圧、酸素飽和量の測定。「身体を起こしてみますか?」と言われて、ベッドを立ててもらう。手術のときからかれこれ18時間くらい寝たきりの姿勢で腰に疲れが来ていたのが、楽になった。 歯磨きをして、蒸しタオルで顔を拭いて、サッパリ。

そして、術後の採血。1回で成功したけど、看護師さんに「血管が見えにくい」って言われた。子供のころから今まで、失敗されたこともそんなこと言われたこともなかったのになー。加齢で変わるのかな?

先生や看護師さんらがチョコチョコ「気分はどうですか?」と顔を出しては、「今日は頑張って歩いてくださいね」と激励。でも、結局痛み止めを使ったのは病室に戻ってきたときの1度きりだったし、傷がひどく痛む様子もなかったので、いけそうな気がしていた。

8時半過ぎ、前日はお休みだった担当看護師のUさんが訪室。「成功してよかった〜。元気そうですね」と喜んでくれた。病衣を脱いで、身体全体を蒸しタオルで拭いて、病院のパジャマに着替え。おむつも取れて持参の下着になって、一気に活動的な気分になった。そして、歩行訓練。ベッドの脇に脚を下す。「点滴スタンドを支えにしていいですよ」と言われ、そろそろと立ってみた。お腹に痛みはなし。案外スンナリ足が進んだ。廊下に出て、端まで行って折り返し、スタッフステーションの前まで行って、折り返して病室へ。計50mくらいかな。「あ、大丈夫そうですね。これなら自分でトイレ行けますね。」ということで一旦ベッドに戻り、おしっこの管を抜いてもらった。これでつながれてる管は点滴だけになり、気分も一気に身軽になった。「後はガスが出たらすぐに知らせてくださいね。そしたらお食事始められますから。」と、看護師さん。

9時から1つめの抗生剤を点滴に追加。それが終わった頃から、再度廊下に出て、フロアーのトイレに行ってみたりゴミを捨てに行ったり、意識的に歩くようにした。途中で執刀医のO先生と遭遇。「どうですか、調子は? 顔色よさそうだね。手術のほうはうまくいって、かっちょ良い縦長のおへそになりましたから」と先生も満足げ。「かっちょ良いおへそ」って言われても、どう人生にプラスになるのか。。。 

トイレに10時半ごろ、待望のガス発生。小さい感じだったのでこれでいいのかなあ、と思ってたら間もなく2回目、3回目もやってきた。看護師さんにお知らせ。「すぐに厨房に連絡しますから、多分お昼からお食事出せると思いますよ。」と。これで飲み物が解禁。ペットボトルのお水がおいしかった。看護師さんの言葉通り、お昼には流動食がやってきた。メニューは重湯、すまし汁、カスタード、アイスクリーム。「カスタード」は、プリンを温かくした感じ。これは3分の1くらいを残し、アイスクリームも3口くらい食べたところで、もうお腹いっぱいになってしまった。

口から水分と栄養がとれるようになったので、リンゲル液の点滴はこれでおしまい。ただし、夜に抗生剤をもう一つ入れなくてはならないので、針は刺したまま。針につながっている管にへパリンを入れてロックする処置をしてもらう。一時的に完全に自由の身になったところ、ランニングクラブの友達がお見舞いにきてくれた。始めはラウンジに行っておしゃべりしていたけど、しばらくしてから肩の前のあたりが痛みだし、20分くらいで病室に戻ってベッドに横にならせてもらった。

この頃から、筋肉痛みと気泡痛に悩まされる。筋肉痛は夜からあったのが、さらに痛みが増した。みぞおちのあたりが一番ひどくて、眠っている間に腹筋運動を1000回くらいやらされてたのかと思うくらい、経験のない痛さ。ベッドに寝るとき、起きるとき、物を落としたときなど、腹筋を使う動きをするたびに「痛たたたたた・・・」と思わず声に出てしまう。先生は「手術のときにずっと寝たまま同じ姿勢だったからねー」と言ってたけど、今まで他の患者さんではあまりなかったらしい。気泡痛は、手術のときに術野を広くするために二酸化炭素ガスをお腹に入れてふくらませたのが原因で、腹腔鏡手術にはつきものだとか。私は起きていると肩の前面、横になっているとみぞおちの右側あたりの痛みがひどかった。人によっては心臓のあたりが痛くなったりもするみたい。夕方、Y先生が傷口のガーゼの交換にいらっしゃった時に話して、痛み止めを処方してもらったのだけどそれが届いたのはずいぶんたって、夕食が終って再度看護師さんに痛みを訴えてからだった。ロキソニンと胃薬のセルベックスをもらい、この時と、翌日の朝食後、昼食後、翌々日の朝食後の計4回服用。先生曰く、「筋肉痛にはあまり効かないと思うけど」ということだったけど、幾分は和らいだような。

夕食は全粥食。ごはんがおかゆになっているだけで、おかずは普通食と一緒。夜7時から2つ目の抗生剤を点滴して、終了とともに針を抜いてもらった。「普通の手術用のより細い針が入ってますね。入りにくかったですか?」と言われて、やはり自分の血管は入りにくいのか、と認識。何はともあれ、これで完全に自由の身に戻れた。

この日の夜は微熱があって、暑くて汗をたくさんかいた。