手術当日(入院2日目)

6:00 起床
でも、そのずーっと前に、3時半くらいに目が覚めてしまってた。朝ご飯はなし。午前5時以降は飲み物も禁止。時間ぎりぎりにお水を飲んだ。


8:00 点滴開始
手術用の病衣に着替え、左腕の甲の側の、ひじに近いところからラインを確保。最初はもう少し手首に近いところから入れたけどうまく入らず、少し細い針で刺し直し。手術順が2番目で、1番目の人が終わり次第、ということなので、後はひたすら待つ。Y先生がやってきて、「手術室に行くときは私も一緒にいますから大丈夫ですよ」と、その後H先生も顔を出して「頑張りましょうね」と勇気づけられる。
10:30くらいにダンナ到着。何もやることないから、と、マンガ雑誌を読みだす。私は何をするのも集中できなくて、テレビを見たり、ぼんやりしながら時を過ごす。


11:40 手術室へ移動
看護師さんが顔を出し、「お待たせしました。では、手術室へ行きましょう」と。廊下にあるストレッチャーに横になり、お布団をかけてもらう。確かにY先生とH先生も一緒。手術室までの道のりが結構長くて、天井を眺めながら動いていくのは、不思議な気分だった。

手術室の前でダンナに「行ってきます」と言って、お別れし、手術室の中へ。入り口を入ったところで一旦止まり、麻酔科の男の先生と、昨日診察してくれた女性の先生、手術室の看護師さんがごあいさつ。この麻酔科の男の先生が結構イケメンだったような。俳優さんがドラマで演じる医師、って感じ。できればもう一度会って確認したい。

頭にキャップをかぶせられる。Y先生が「では、中に入って準備しますね」と立ち去る。病棟の看護師さんが手術室の看護師さんに経過などを申し送りし、手術後に使うT字帯と紙おむつを手渡していた。

ストレッチャーが再び動き出し、手術室の中へ。壁一面が優しいグリーンで、入った瞬間はきれいだな、と感心?した。手術台の真横にストレッチャーが付けられて、「そのまま横へ動いて手術台に乗れますか?」との声に従って移動。硬い板の上ではなく、スポンジみたいなのが敷いてあって意外と柔らかいな、と思った。点滴の管を一時的にはずしてもらって病衣脱ぎ、代わりにタオルをかけてもらう。「手術台が狭いので足を固定しまーす」「心電図のパッドを胸に張りまーす」という声とともに看護師さんたちがテキパキ動き、身体にいろいろなものが取り付けられた。麻酔科の男の先生が薬の指示をいくつか出す声が聞こえた後、「点滴に眠くなる薬が入りましたよ。だんだん眠くなりまーす」と。あー視界がぼやけてきたなー、まぶたが重いなーと思った直後に左の上腕にちょっと鋭い痛みを感じた。「点滴入れてるところが痛くないですか?」と聞かれて、「左腕が痛い・・・」と答えた。記憶があるのはここまで。


14:00 手術終了
「たぁさーん」と呼ばれて急に視界が明るくなって、「終わりましたよー」と言われたのはまだ手術室の中だった。どう反応したのかはよく覚えていないけど、口に入ってる管を抜かれた。目が覚めた途端に、お腹の傷がとても痛くて、この痛さがずーっと続くのなら辛いなあ、と思った。

ダンナによると、「終了」の知らせを受けたのが14:00ごろだったとのこと。手術自体で2−3時間と聞いていたので、意外と早く終わったことになる。ダンナは執刀医の先生に摘出した腫瘍の中身を見せられ、脂肪の中に髪の毛が絡みあっていてリアルにグロだったっと。

手術室から病室に移動しているときの記憶はなくて、次に覚えているのは病室に戻ってから。「傷が痛いですか?」と訊かれて「痛い」とうなずいたら、看護師さんが「痛み止めの点滴作りますね」と言ってくれた。でも、しばらくしたっても全然変わらない。もう一度「痛いですか?」と訊かれて「痛い」と返事したら、「点滴の速度を速めますね」と。それっきり痛みは感じなくなった。暑くて、汗をたくさんかいて、酸素マスクが煩わしくて外してたら、看護師さんから「もう少しつけたままでいられますか?」と言われてつけ直した。

ダンナがそばにいるのがわかったので、何とか話をしようとするのだけど、ちょっと目を開けているだけで疲れてしまって、すぐに閉じたくなってしまう。「痛みも大丈夫みたいだし、今日はこれで帰るわー」と言ってダンナが去っていったのが17:00くらいだったとか。そのあとは眠って、目が覚めての繰り返し。

脚には血栓予防のためのマッサージャーがついていて、左右交互にしめつけてマッサージしている。おしっこの管が入っているのはあまり気にならなかったけど、おむつに違和感があった。看護師さんに「脚を動かしたり寝返りしていいですよ。寝返りが辛かったら気兼ねなく声をかけてください」と言われ、横向きになろうとしてみたら、みぞおちの辺りがやたら痛くて辛かった。最初のうちはこれが傷の痛みなのか何なのかよくわからなくて動くのも恐る恐る。何度か試みているうちにこの痛みは傷ではなくて筋肉痛だというのがわかってきた。

9時の消灯の少し前に「ちょっと気分がすっきりするかも」と、寝た姿勢のままで歯磨きをさせてくれた。ストローでお水を含んで、差し出された容器に吐き出した。水が顎にかかってしまったけど、「これ、結構難しいんですよね」と言いながら蒸しタオルで顔を拭いてくれた。確かにちょっと気分転換できた。

消灯後も少し眠って目が覚めての繰り返し。夜勤担当の看護師さんがたびたび点滴のチェック・交換や尿量の確認、血圧測定などに来てくれて、そのたびに「今何時ですか?」と訊いていた。11時半」「2時」「5時ちょっと前」と返事があったのを覚えている。「今日は夜がちょっと長いかもしれないけど、頑張ってね」と。姿勢を変えるときに点滴の管がねじれるかどうかしたらしく、アラーム音が鳴ってしまうことも何度かあった。かけつけてくれる看護師さんに「すいません」と言うと、「いえいえ、ちょっとしたことで鳴っちゃうようになってますから、どんどん鳴らしちゃってください」と優しかった。暑くて汗が出て、氷枕も夜中に2度ほど変えてもらった。点滴のおかげでのどは乾かなかったけど、それでもお水が飲みたくてしかたなかった。唇が乾燥してカサカサになっていた。